日本ブームについて考える -メタバース編-

ライムライトの仕事部屋
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近年、映画、音楽、スポーツと、海外から注目されることが多くなった日本。他ジャンルにおける日本と海外の違いを見比べながら、メイド・イン・ジャパンのバレエとは何かを考える「日本ブームについて考える」シリーズ、今日はメタバース編です。

「日本のバレエと海外のバレエ、どこが違うの?」こう言った疑問を持ったときに、きっとバレエ偏差値の高い方は、身体の使い方や各国のバレエ団の成り立ち、文化的背景などから色々と説明をしてくれるのでしょう。

ところが僕のようなバレエ偏差値の低い人間の回答はこうです。

バレエって外国の踊りなのに、王子様もお姫さまも日本人が踊っている。

「それを言ったらお終いだよ。」と言う身も蓋もない回答しか出て来ません。そこで幼少期からバレエをはじめてプリンシパルを踊り、ベルギーへのバレエ留学経験もあり、海外の振付家やダンサーと仕事をしたことのある妻に同じ質問を投げかけてみました。

元ネタはファミレスでの妻との他愛のない会話なので、特別何か結論があるわけではないよ。

もし、見た目に一切違いがなく、どこの国の人が踊っているのか分からない世界があったとして、それでも「日本らしい」と言える特徴はあるのでしょうか。

メタバースに現れる日本のバレエの特徴

日本ブームについて考える-音楽編-」でも書きましたが、バレエは舞台芸術である以上、生身の人間が劇場で踊り、観客が劇場に足を運んで鑑賞するのが大前提の表現です。映像として鑑賞できる作品もありますが、それがそのままバレエ体験かと言うと、それはカメラに切り取られた「誰かの視点」であって、あなたのバレエ体験ではないと言えるでしょう。

また、人間が踊る以上、バレエには様々な国籍、言語、人種、性別の人が参加しており、おなじ日本人でも身長差やテクニックなど、それぞれに違いがあります。

では仮にそう言った空間的、身体的な差分を取り除いて考えてみた時に、日本のバレエと言える特色はあるのでしょうか?そこで引き合いに出したのがメタバースです。

メタバースは、仮想空間に作られた世界で、参加者はパソコンやスマホで自身の分身であるキャラクター(アバター)を動かしてヴァーチャルな世界に参加できる新しい形式のエンターテイメントです。

メタバース上でのライブは、コロナ禍において開催された米国人ラッパー、トラヴィス・スコットによるライブが有名で、同時接続数は1230万人を記録し、20億円の売上をあげたと言われています。

日本でも米津玄師や星野源などの有名アーティストがメタバース上でライブを行っていて、出演するアーティストもアバターとなって、パフォーマンスを披露します。

メタバース上では誰もがアバターになるので、出演者はもちろん、参加者の人種や性別、年齢と言った個体差がなくなるんだ。

では、仮にこのメタバース上でバレエが行われたらどうなるでしょう?身長の低い日本人男性が高身長の白人の王子様を演じることも出来ますし、アフリカ系の高齢女性が10代の少女になることも出来ます。

ここで断っておきたいのは、僕はメタバース上でバレエをするべきという主張をしたい訳ではなく、あくまで思考実験の一環としてメタバースを引き合いにだしているということ。メタバース上で表現されるバレエが生で観るバレエとは全く別物になることは百も承知だよ。

Energy, Harmony, Synchronization

そもそも総合芸術のバレエを踊りの部分だけ取り出して比較するのはナンセンスかもしれませんが、妻はあるアメリカ人振付家のレッスンを受けた時の話をしてくれました。

そのアメリカ人の先生が日本人のダンサーを指導する時に度々使っていた言葉で印象的だったのが”Energy”(エネルギー)というワードです。

ここで言う”Energy”という言葉は「呼吸」が踊るエネルギーになるということで、呼吸が止まると力みにつながり、しなやかさが失われ、自然な表現が失われてしまうそうです。

アメリカ人の振付家にとって、稽古場にいる多くの日本人ダンサーは真面目に踊ろうとするあまり、この呼吸が失われているように感じたらしく、「もっとエネルギーを出して!」と言った言葉を度々かけていたそうです。
技術が高いだけではダメで、特に舞台の中央で踊る*プリンシパルやソリストには、舞台上でパッと目を引くような呼吸の仕方が求められます。

*プリンシパルは主役級のダンサーのこと。ソリストはソロで踊ることができるダンサーのこと。

一方で妻は「コール・ド(バレエ)*は日本人の方が良いかも」とも言いました。

*コール・ド・バレエはソリスト以外の群舞や大人数の情景を担当するダンサーをひとまとめにした表現。

コール・ドにおいて重要なのは大人数で行われる動きをひとつのまとまりとして調和させることであり、意外と海外の有名どころのバレエ団の作品を見ても、動きがバラバラなことがあるそうです。

動きがピッタリ合っているといえばロシアや中国のバレエを思い浮かべるのですが、日本のバレエはそことも少し違っていて、日本のバレエは相手との呼吸を合わせるハーモニー、あるいはアンサンブルがとても上手で、ロシアや中国は均一的にシンクロ(同期)している印象があるそうです。

例えば、「花のワルツ」のような楽しく優雅な雰囲気の群舞は、動きがシンクロしすぎていると温かみが感じられなくて、踊り手同士の動きの調和がとれていることの方が重要とのこと。

まとめ

こういった特徴はわざわざメタバースを取り上げなくても出てくるようなものかもしれません。もちろん、エネルギーが溢れ出る日本人ダンサーもいますし、ハーモニーが美しい外国人のダンサーもいるでしょう。

ここで僕が考えたかったのは、空間的・身体的制約を外した世界でバレエはバレエたりえるのかということと、そうした世界で日本人が活躍する可能性はあるのかどうかです。

個人的にはあまりときめかないんだけど、実際に映画では「アバター」に代表されるような、生身の人間の動きをキャプチャーして異世界を作り出すような作品が生まれている。

難しく書いてしまったかもしれませんが、元ネタは僕と妻とのファミレスでの他愛のない会話ですので、あまり肩肘張らずに皆さんが考えるメタバースで行われるバレエがどんなものなのか、ご意見をいただけると嬉しいです。

 


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