男性ファンを増やすには

ライムライトの仕事部屋
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バレエって男性にとってはなかなか縁の遠い世界です。

おそらく、バレエと接点のある男性にとってのファーストコンタクトは、母親や姉妹、あるいは恋人など、親しい関係にある女性がバレエをしているかファンで、その人に誘われて発表会や公演を観に行く場合がほとんどではないでしょうか?

テレビやネットで見た俳優が所属している劇団の舞台を見に行く、お笑い芸人のコントを観に行くなど、劇場以外でも接点の多い他の表現に比べてバレエはメディアへの露出が少なく、日本の人口を1億2000万人として、その内の半分が男性だった場合、男性ひとりがバレエ人口25万人のうちの誰かに会う確率は約0.42%。ヘタをすると100人いる学年で一人も会わない可能性だってある訳です。

また、実際にバレエの舞台を鑑賞した男性でも、たいていの人はなにをどう受け取ったら良いのか、娘や息子をバレエに通わせて何になるのか、まったくピンと来ないと思います。

そういった現状を踏まえて、男性をバレエファンにするにはどうすれば良いかを考えてみました。

過去の歴史から学んでみる

男性とバレエの関係について、歴史をざっと振り返ってみます。

僕のブログでも紹介してきましたが、元々はイタリアの貴族の余興として始まったバレエはフランスに渡り、宮廷での社交術、あるいは為政者の政治的プロパガンダを示す宮廷バレエへと発展し、やがて踊り手も貴族から職業ダンサーへと変化していきました。

17世紀までは宮廷に勤務している男性が主なダンサーで、女性の役も男性が演じていました。その後、貴族の中から女性の職業ダンサーも生まれていきますが、国の歳費で運営され、貴族に支持されるこの時代のバレエにおいて、客層の男女比を気にする必要はそれほどなかったのではないでしょうか?

来場客からの売り上げをシビアに意識しなくてはならなくなったのは、18世紀後半に起きたフランス革命以降です。革命により半ば強制的に民営化されたパリ・オペラ座は、元国営ということもあって民衆から厳しい視線を受けていました。

時のバレエ・マスター、ピエール・ガルテルは、新興の富裕層や商工業者、エリート軍人などのブルジョワジーをメインの顧客と見定めて、彼らが喜びそうな演目を上演していきます。

ようは薄着の女性ダンサーがいっぱい出てくる作品。

一時はロマンティック・バレエで一世を風靡したものの、19世紀後半は男性パトロンと女性ダンサーの関係が運営を下支えするようになり、フランスのバレエは暗黒時代を迎えて、貴族的なバレエはロシア帝国に受け継がれていくようになります。

男性客が喜びそうな演目をやっても、ロクなことにならないのはいつの時代も変わらなさそう。

ゴルフ女子ブームを振り返る

突然話は変わりますが、プロゴルファーの横峯さくらさんをご存知ですか?2004年に19歳でプロデビューしてから、現在まで活躍されている女性ゴルファーです。彼女がデビューした時、本人と共に話題になったのが、「さくらパパ」と呼ばれたお父さんの横峯良郎さんです。

弁当屋をきりもりしながら娘をプロゴルファーに育て上げたさくらパパは、良くも悪くも非常に日本男児的な立身出世ストーリーが好きな方のようなので今回取り上げたのですが、このさくらパパが娘にゴルフを習わせた理由は「競合が少ないから」だそうです。

ゴルフの習い事は、ゴルフ道具や練習場所の確保にもコストがかかり、生活にゆとりがない家庭ではなかなか通わせることができません。そして、当時の女子ゴルフは今ほど人気がなく、男子ゴルフが脚光を浴びていました。

これって、今のバレエ教室と似たシチュエーションじゃない?

そうなんです。当時のゴルフ界の状況は男女を反転させて考えると、今のバレエの状況と似てはいないでしょうか?

男性はどこまで行っても実利を求めがちです。バレエの芸術性の高さを謳ったところで、バレエと接点のないお父さんにはピンと来ないでしょう。それよりも、競争相手の少ないフィールドで英才教育を授けてプロになった横峯さくらさんのエピソードを話す方が、よっぽど説得力があるのではないでしょうか。

たとえバレエの良さが分からなくても、我が子が舞台に立つ日には父親もまた舞台に足を運ぶはずです。

まとめ

「実利を求めてバレエをやって欲しくない」「そんな甘い世界じゃない」「ゴルフほど男性ダンサーは儲からない」

こう言ったご批判の声が、誰に聞くともなく僕の脳内で聞こえて来ます。しかし、ゴルフだって甘い世界じゃありません。そしてぶっちゃけ、親の目論見通りに子供が育つことなんて滅多にありません。

かつてはおじさんが会社のお付き合いでするものだったゴルフは、今や「ゴルフ女子」という言葉が定着するほど、女性にも一般化しています。そこには、横峯さくらさんをはじめとする若い女子プロゴルファーたちの活躍が大きな役割を果たしてきました。注目が集まれば、お金も集まります。

大事なのは間口をどう広げるかです。まったくバレエと接点のない男性がバレエに関心を向けるきっかけをどう作るかです。先日の音声配信でも話ましたが、プレイヤーが日本のバレエファンの大半を占める現状において、男性ファンの獲得はポテンシャルを秘めています。

歴史に学び、男性を観客としてではなく、親としてバレエに関わってもらってはいかがでしょう?


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