バレエの歴史 18世紀フランス編 -1-

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海野敏さんの著書「バレエの世界史」では18世紀だけ前半と後半で2つの章に分けて紹介してあります。理由は分かりませんが、18世紀後半にこれまでの世界をひっくり返すようなふたつの大きな革命が起きるので、革命前夜の18世紀前半と革命が勃発した18世紀後半で、バレエ史に訪れた変化についても章を分けて紹介したかったのではないかと推測します。

その大きな二つの革命とは、市民革命産業革命です。

今日はまず、革命前夜である17世紀前半の世界情勢とフランスの状況について紹介します。

イギリスが世界の覇権を握る

金融業を発達させて世界の覇権を握っていたオランダの天下は長く続きません。陸では当時最強の陸軍力を誇っていたフランスとの戦争に敗れ、海ではオランダと同じく東インド会社や西インド会社を設立して積極的に海洋進出していた国に覇権を奪われます。それが、イギリスです。イギリスはアメリカやインドなどに植民地支配の手を伸ばして、20世紀まで続く大英帝国を築きあげます。

また、イギリスは17世紀末には名誉革命によって国王の権利を制限し、議会が政治を決定する立憲民主政治を世界に先駆けて導入していたことも特筆に値します。

フランス絶対王政の爛熟期

一方のフランスは世紀を跨いで1715年までルイ14世の治世が続きます。落ち目だったハプスブルク朝スペインから王位継承権を奪い、ブルボン朝がスペインの国王に着きます。その後、ルイ15世、ルイ16世と続きますが、スペイン継承戦争に勝利したフランスは海外進出の野心も隠さず、アメリカやインドにおいて、イギリスと衝突を起こします。

この時代のフランス絶対王朝はよく行けば爛熟期、悪く言えばくさりかけ。たび重なる戦争と貴族の贅沢三昧で財政は破綻しかけ、国民の生活は苦しく、市民革命の火種になっていたんだ。

ロココ様式と啓蒙思想

18世紀のフランスで流行した宮廷美術は「ロココ様式」です。重厚で劇的な明暗対比が特徴だったバロック様式と対照的に、明るい色彩に軽やかで優雅な様式が特徴です。

音楽ではバロック音楽からふたたび調和が重視される古典派への移行期にあたり、ヴィヴァルディやヘンデル、バッハなどが活躍します。

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バロックから古典派の移行期におけるバッハの代表曲。優雅〜。

ジャン・オノレ・フラゴナール「ぶらんこ」(1768)
スカートの中がチラッと見えるぶらんこ遊び。そりゃこんなことしてたらフランス革命起きるわ。

啓蒙思想は、理性を重視し、社会にはびこる迷信や偏見、非合理的な慣習を否定して人間性の解放を目指した思想です。この説明だとよく分からないと思うので、啓蒙思想のポイントを以下の3つにまとめました。

  • 信仰の自由を認めた上で信仰はあくまで内面のこととし、理性と科学を重視した。
  • 君主や教会による支配に疑問を投げかけ、自由と平等を主張した。
  • 社会の不平等を改革するために人々が知識を得ること、つまり教育の重要性を訴えた。

啓蒙思想家の代表的人物を3人だけ紹介しておきます。個人の自由や民主主義の重要性を訴えたルソー、言論の自由や信仰の自由を訴えたヴォルテール、著書「法の精神」で、権力は立法、行政、司法に分割して統治しないと、政治的な自由は保証されないと訴えたモンテスキューです。

今となっては当たり前の考え方だけど、これが当時の為政者にとってはいかに都合の悪いものかわかるよね。この思想が革命後の民主憲法の背景になっていくんだ。

啓蒙思想において絶対王政下の古い体制は「アンシャン・レジーム」(旧体制)と呼ばれて批判され、バレエもまた改革の対象となっていきます。

まとめ

はい、今日はこれでおしまいです。

18世紀末の2大革命を迎える直前に起きた出来事を以下にまとめます。

  • イギリスが最強国に→産業革命の発生地でありアメリカ独立戦争時の占領国
  • フランス絶対王政の腐敗→アンシャンレジームとして、批判の対象に
  • 啓蒙思想の流行→宗教と科学を分離、民主主義の思想的背景
  • 人間中心の合理主義思想の定着→科学の発展

来週は17世紀前半のフランスのバレエ界に焦点をあてて、ロココ朝時代の代表的な作曲家とスターダンサー4人を紹介します。

 


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