前回はバレエの源流をたどると15世紀のイタリアにあたり、その理由となる3つの根拠のうち、「バレエ」の語源が都市貴族の間で踊られたダンスの「バッロ」にあることを紹介しました。
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- 「バレエ」の語源
- 舞踊理論の体系化
- ルネサンスとともに北方へ伝わる
今回はルネサンスの代表する人物であるレオナルド・ダ・ヴィンチの足取りを追いながら、のこりふたつの根拠を説明していきます。
ドメニコとグリエルモによる体系化
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ドメニコ・ダ・ピアチェンツァと弟子のグリエルモ・エブレオ・ダ・ぺーザロは、バッロの動きを理論化し、ドメニコの「舞踊振付教本」、グリエルモの「舞踊芸術実践論」として著書におさめました。当時はまだ手書きの本でしたが、同時代の1450年、ドイツのグーテンベルクが活版印刷を発明します。ドメニコの写本は数冊しか現存していませんが、弟子のグリエルモの写本は多く現存しているようです。
二人の著作によって、バッロは記録されるものになりました。これによりバッロは世代や地域を超えて伝播し、分析され、革新されていく対象になったわけです。
また、グリエルモがこの本を献上した相手は、ミラノの都市貴族のスフォルツァ家です。スフォルツァ家はドメニコとグリエルモを何度も招いて余興の踊りを任せたり、レオナルド・ダ・ヴィンチのパトロンとなり、絵画だけでなく舞台装置の設計や衣装の制作を依頼しました。
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美術・衣装・大道具までやっちゃうダヴィンチのマルチタレントぶりがスゴイ。
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ルネサンスと共にバッロはフランスへ伝播
14世紀にはじまったイタリアのルネサンスは、その後フランスをはじめドイツ、イングランドなどに移り、イタリアルネサンスと区別して「北方ルネサンス」と呼ばれたりしていますが、バレエが伝わる経路と時期がこれと一致しているのが3つ目の根拠です。
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14世紀末、フランスの国王シャルル8世がイタリアに侵攻し、「第一次イタリア戦争」が勃発します。この戦争は侵攻と撤退を繰り返して、50年以上もだらだら続きます。
ルドヴィコ・スフォルツァが当主だっミラノにフランス軍が侵攻したのをきっかけに、レオナルド・ダ・ヴィンチもミラノを離れてイタリア各地を転々とし、晩年はフランス王に招かれてそこで亡くなります。
また、シャルル8世の次の王、ルイ12世は第二次イタリア戦争の際にグリエルモの「舞踊芸術実践論」の写本を持ち帰り、王家の蔵書としています。
くしくも、フランスがイタリアに対して行った侵略戦争がバッロを北方へ伝える契機となったわけです。
まとめ
はい、本日はここまでです。前回まで紹介していないところがあった15世紀イタリア編のチャートも、今回の記事ですべて紹介しました。
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次回はイタリアからフランスへと伝わったバッロが、16世紀にどのように発展していったのかをご紹介します。
最後までお読みいただき、有難うございます!
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