僕のAI活用術:音声配信者としての付き合い方

ライムライトの仕事部屋
この記事は約9分で読めます。

1年ほど前にAIの発達でおすすめ系やハウツー系のブログに大氷河期時代が来るという記事を書きました。

これから先は分かりませんが、今はまだブログの書き手の主体は人間で、AIはその強力な補佐役として人間と蜜月関係を築き、AIを使いこなす書き手と、使えない書き手の分断を作り始めている、というのが現状じゃないかと思います。

僕のような日々の体験や思考のプロセスを発信するようなブログや音声配信は、AIには代替できない領域が多く、AIの発達にそこまで影響を受けないジャンルかと思いますが、そんな僕でも最近はChat GPT*と会話する時間が以前よりも増えてきました。

そこで今日は、僕がChat GPTをどのように活用しているのかについて紹介しようと思います。

*人工知能(AI)を使った会話アシスタント。質問に答えたり、情報提供やプログラミング、文章作成などが行える。

AIは壁打ちの相手として最適

以前の僕の音声配信は、一度話す内容を書き起こして、話す内容を整理してから録音をしていました。はじめは話す内容を一字一句文字化していたので、ブログを書くよりも時間がかかっていましたが、最近は箇条書き程度で整理できるようになったので、だいぶ作業時間が圧縮できるようになりました。

そしてもっと最近はこの「話す内容を整理する」作業をAIとの会話を通して実現することができるようになりました。

プレゼンテーションのプロセスで、自分のプレゼン内容を他の人に対して話してみてフィードバックをもらう作業のことを「壁打ち」と呼びますが、Chat GPTは僕にとって最適な壁打ち相手なんです。

さっそく、6月7日に放送したこちらの音声配信を例にとって、具体的な実用例を紹介していきます。

AIとの会話内容をまるっと公開します
[ライムライト]
今日はアートとエンターテイメントの話をしようと思う。

[Chat GPT]
いいですね!アートとエンターテイメントの話題は広くて魅力的です。具体的にどんなテーマについて話したいですか?例えば:

- 映画やドラマ
- 音楽やコンサート
- 美術や展覧会
- 漫画やアニメ
- 演劇やダンス

それとも、特定の作品やアーティストについて話したいことがありますか?

[ライムライト]
アートの価値って、相対的なものだと思うんだ。だってある人にとっては価値のあるものだけど、別の人にとっては価値のないものだから。

[Chat GPT]
確かに、アートの価値は非常に主観的で相対的なものです。人々の経験、文化、教育、感受性によってアートの感じ方や価値の評価は大きく異なります。ここでは、アートの価値の相対性についていくつかの観点から考えてみましょう。

1.個人の感受性と経験
アートは個人の感受性や経験によって異なる価値を持ちます。例えば、特定の絵画がある人にとっては感動的で深い意味を持つものでも、別の人にとっては単なる色と形の集まりに過ぎないかもしれません。

2. 文化的背景
異なる文化背景を持つ人々は、同じアート作品を見ても異なる価値を見出すことがあります。例えば、日本の伝統的な浮世絵は、日本人にとっては歴史的価値があり馴染み深いものですが、他の文化圏の人々には異なる意味や美しさを持つことがあります。

3. 教育と知識
アートに関する教育や知識の有無も価値の評価に影響します。美術の歴史や技法、文脈を理解している人は、作品の背景や技術的な側面を評価することができ、その結果、より高い価値を見出すことができます。

4. 時代とトレンド
アートの価値は時代とともに変わることもあります。ある時代には評価されなかった作品が、後の時代に再評価され高い価値を持つようになることもあります。例えば、印象派の画家たちは当初批判されましたが、現在ではその作品は非常に高く評価されています。

5. 市場価値
アート市場においても価値は相対的です。ある作品がオークションで高値で取引されることもあれば、別の場所や時期には同じ作品がそれほど高価でない場合もあります。市場の需要や流行、投資目的の購入などが市場価値に影響します。

アートの価値は、このように多くの要素によって形成されます。そのため、アートの評価は一概には決められず、多様な視点や感性を持って接することが重要です。あなたはどのようなアートやエンターテイメントに特に価値を感じますか?

[ライムライト]
対して、エンターテイメントには絶対の価値があると思う。誰が見ても楽しめるものを作るのがエンターテイメントだから。なにか反論はありますか?

[Chat GPT]
エンターテイメントが広く受け入れられ、誰にとっても楽しめるものであるという考えには確かに共感できる部分があります。しかし、エンターテイメントの価値が絶対的であるかという点については、いくつかの反論も考えられます。

1. 個人の好み
エンターテイメントもまた、個人の好みによって価値が異なります。例えば、ある人はアクション映画が大好きでも、別の人はコメディやドラマを好むかもしれません。万人が同じ作品を楽しむわけではなく、好みの多様性が存在します。

2. 文化的背景
エンターテイメントの内容や表現は文化的背景に大きく影響されます。ある国では大ヒットした映画やテレビ番組が、別の国では全く人気が出ないこともあります。言語の壁や文化的な違いが作品の受容に影響を与えるため、全ての人にとって同じ価値を持つわけではありません。

3. コンテクストと社会的状況
エンターテイメントの受け取り方は、その時々の社会的状況やコンテクストにも依存します。例えば、戦争や災害の最中に見るコメディと、平和な時期に見るコメディでは、その感じ方が異なることがあります。また、ある時期には受け入れられた表現が、時代の変化とともに批判されることもあります。

4. 個人的な経験と感受性
個人の経験や感受性によっても、エンターテイメントの価値は変わります。例えば、特定のテーマや内容が個人的なトラウマや経験と重なる場合、その作品を楽しめないこともあります。逆に、特定の経験があるために、その作品がより深い意味や感動を与えることもあります。

5. 批評と評価
エンターテイメント作品もまた、批評や評価を通じて異なる価値を持つことがあります。映画評論家や観客のレビューによって作品の評価は変わり、ある人にとっては名作でも、別の人にとっては平凡な作品と感じられることもあります。

まとめ
エンターテイメントは多くの人に楽しんでもらうことを目的としていますが、その価値は必ずしも絶対的ではなく、相対的な要素も含んでいます。個人の好みや文化的背景、社会的状況、個人的な経験によって受け取り方が異なるため、エンターテイメントもまた多様な視点から評価されるべきものです。

あなたが特に価値を感じるエンターテイメント作品やジャンルはありますか?

[ライムライト]
一人でも多くの人が楽しめる作品を作るのがエンターテイメント、たった一人でも深く感動する作品を作るのがアートという整理はできるかな?

[Chat GPT]
その整理はとても興味深く、エンターテイメントとアートの違いを理解する一つの視点として有用だと思います。以下のように整理できます。

エンターテイメント
- 目的: 多くの人が楽しめることを目指す。
- アプローチ: 広い層に受け入れられるように設計され、一般的にアクセスしやすいテーマや表現を使用する。
- 例: ハリウッドのブロックバスター映画、ポピュラーミュージック、テレビ番組、バラエティーショーなど。
- 特質: エンターテイメントはしばしば娯楽、リラックス、気晴らしを提供することを重視するため、ストーリーやキャラクターが分かりやすく、視覚的・聴覚的に魅力的な要素が強調されます。

アート
- 目的: 一人でも深く感動し、内省や新しい視点を提供することを目指す。
- アプローチ: 個人的、実験的、革新的な表現が多く、観客に対して挑戦的なテーマや複雑なメッセージを伝えることがある。
- 例: 現代美術、アートフィルム、文学作品、演劇、前衛音楽など。
- 特質: アートはしばしば作家の個人的なビジョンやメッセージを伝えることに焦点を当てており、観客に深い感情や思索を促すことがあります。

この整理の意義
この整理の意義は、エンターテイメントとアートの目的やアプローチの違いを理解することにあります。エンターテイメントは広く多くの人々に喜びや楽しみを提供することを重視し、アートは深い感動や新しい視点を提供することを目指すと考えることで、それぞれの価値や役割を認識することができます。

補足
もちろん、エンターテイメントとアートは必ずしも厳密に分けられるものではありません。エンターテイメント作品が深い感動を与えることもあれば、アート作品が広く受け入れられ大衆に楽しんでもらえることもあります。両者の境界は曖昧で、相互に影響し合うことも多いです。

この整理に基づいて、あなたが考えるエンターテイメントとアートの具体例を挙げてみると、さらに理解が深まるかもしれません。

会話の流れを解説します

まず、Chat GPTと会話をする前の僕の仮説は「アートには相対的な価値があり、エンターテイメントには絶対的な価値がある」でした。この論拠を検証、裏付けしたいわけです。
そこで以下の順番で会話を行いました。

1. 話したいことのすりあわせ

いきなり質問から入るのではなく、まずは今日僕がどんなことについて話をしたいのかをChat GPTと共有します。

最初の段階でChat GPTが提案してくる議題は、「映画やドラマ」などのジャンル論で、僕が話したいとこととは外れていることがわかる。そこで、アートとエンタメの価値観の違いについて話がしたいんだということを理解してもらう。

2.ステップバイステップで考えを伝えていく

まずはアートについての僕の考え方を伝えました。ここで反論があるか同調するかを確認して、肯定的な反応が返って来ましたので、話を進めます。

3.反論がないかを確認

次にエンターテイメントについての考え方を伝えます。この時、Chat GPTはその前の会話も記憶しているので、アートについての考え方も含めて、僕の考え方に反論がないかを聞きました。

4.Chat GPTの反論を受けて結論を修正

Chat GPTからの反論で、エンターテイメントが絶対的価値観に基づいていると言い切るには、アートとの類似点が多くあることを指摘されました。「なるほど、そうかもな。」と思った僕は、少しまとめ方を変えて、作品を受け取る側の視点から「一人でも多くの人が楽しめる作品を作るのがエンターテイメント、たった一人でも深く感動する作品を作るのがアート」と、違いをまとめることにしました。

5.Chat GPTに論点を整理してもらう

最後に僕の結論をChat GPTに伝えて、本日の論点を整理してもらいます。Chat GPTは整理だけにとどまらず、この整理の意義と補足アドバイスまで提供してくれました。

これだけ論点がまとまっていれば、音声配信で話すには十分。ポイントは的外れな回答が来ないように考え方を少しずつすり合わせて、論点を絞っていくこと。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今日のブログを読んだ上で、あらためて僕の音声配信を聴いてもらえると、なかなか味わい深いものになっていると思います。

Chat GPTと「壁打ち」をすることで、最初にあった僕の意見が整理され、ある部分は修正され、より納得感のある内容になったのではないかと思います。

いずれブログはAIによって氷河期を迎えるという以前の僕の主張も、ChatGPTに聞いたらもっとマイルドになったかもしれませんが、ChatGPTは当事者だからあまり恐ろしい主張はしてこないかもしれませんね。

 


最後までお読みいただき、有難うございます!

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