「彼(敵)を知り、己(おのれ)を知れば百戦殆(危う)からず」
中国の兵法家、孫子の有名な言葉です。意味は「相手のことをよく知って、味方のこともよく分かっていれば、100回戦っても大丈夫!」というところでしょうか。孫さん(ソフトバンクではない)の格言通り、これから両親のバレエ教室(おのれ)については死ぬほど掘り下げていくつもりなので、今日は敵と言いますか、取り組む対象となるバレエ業界について掘り下げて行こうと思います。
今日の記事は文化庁から委託を受けて昭和音楽大学バレエ研究所が発行した「『「日本のバレエ教育に関する全国調査」報告書』(2022年3月発行)」を参照させていただいています。
意外とバレエ業界にいる人もこんな研究があったことを知らないのではないでしょうか?今日はバレエと関係のない業界の人にも、これを読めばバレエ業界の現状が分かるように説明していきます!
国内のバレエ人口
「何人くらいの人がバレエやってるの?」という調査です。以下をご覧ください。
「ああ、いっぱい数字が出てきてやだなー。」
そう思った方、ご安心ください。ひとつも数字は覚えなくて良いです。ここで押さえておきたいのは、ここ10年でバレエ人口は減っているよ、という事実です。
教室も、先生も、生徒もみんな減っています。
バレエ教室の経営主体と規模
「バレエ教室ってどうやって運営してるの?」という調査です。
バレエ教室は圧倒的に個人事業主によって運営されていることが分かります。次に多いのが法人による事業ですね。これは法人化するほどの規模のスクールが少ないことも示唆しています。
バレエの生徒数が減少していることは先に述べましたが、ここで注目したいのは多くの教室は2人から3人の教師で運営されていることです。生徒60人に対して3人ですから、多くの教室は教師一人で20人の生徒を見ていることになります。教師が一人当たりの生徒指導にかけられる時間に関わってくるので、単に生徒数が多ければ良いという話でもなさそうです。
在籍生徒の年齢
次に「バレエ教室ってどんな人が通っているの?」という調査です。
上記の調査は各教室に「この年齢の生徒さんいますか?」という質問をして「いる・いない」で答えてもらった結果ですので、生徒の数を示すものではありません。5%以上の変動があったものにマークをつけています。ここでもっとも注目すべきは、高齢者の受講者数が圧倒的に増えている、という点です。
これに対して、教師側の年齢分布はどうなっているでしょう?これについてはハッキリとした数値を見つけることができませんでしたが、以下の調査から推定はできます。
いつごろバレエ教室を開始した人が多いかという調査です。だいたい2000年前後に開始した教室が多いです。バレエ教室を始められる方は現役をそろそろ引退される30代〜40代前後の方が多いので、そこから20年経ったということは、現在50代〜60代前後の教室運営者が多いということが推測されます。
まとめ
ふたつの結論にまとめます。
バレエ業界は全体としては縮小傾向にあり、個人で経営している小規模な教室が多数を占めている。
バレエ業界は先生も生徒も高齢化している。
これで僕が事業継承のブログをはじめた理由も分かりますよね(笑)
ちなみに両親の経営するバレエ教室はこの問題に対してすでに手を打っており、昨年から昼の時間帯を利用した成人向けのクラスを新規に開設しています。おかげさまですぐに定員となり、さらにクラスを追加していく予定です。
最後までお読みいただき、有難うございます!
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