自宅マンションをたった3年で売却した理由

ライムライトの仕事部屋
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自宅のマンションを売却しました。3年前に購入した杉並区のマンションです。


「え、3年で売却するの?」「せっかくローンを組んで購入したのに?」


そう思われる方も多いかもしれません。僕も購入時は、もう少しここで長く暮らすつもりでした。

でも、時には人生の選択として、思い切った決断が必要な時があります。

ダンサーにとって住まいとは、どんなものでしょうか?

何度も移住をする方もいれば、自宅をスタジオに改装されている方もいます。

僕たち家族の場合、実家のバレエ教室が拠点です。今回の売却に至った経緯をご紹介することで、みなさんの住まい選びの参考になれば幸いです。

売却の理由

その1:不動産市場の動向

売却の理由の一つは、近年の都市部の不動産価格の高騰です。

不動産経済研究所のデータによると、2023年の首都圏中古マンション価格は前年比8.9%上昇し、平均価格は4,000万円を超えました。

僕の場合、昨年の7月頃から売りだして、約3,900万円で購入したマンションを4,200万円弱で売却することができました。

首都圏8エリア 平均価格指数の推移(at homeより)
ここ数年、23区はずっと上昇している。

逆に言うと、僕が3年前に3900万円で購入した今の住まいは、もはや同じ価格では買えないと言うこと。

その2:教室運営へのコミット

売却を決意したもう一つの理由は、事業承継を一層進めるためです。とくに今年は、執行バレエスクールの8月の発表会に向けて、より多くの時間を割けるようにしていきたいと考えています。

現在、僕の主な収入源は映像制作の仕事で、実家のバレエ教室の手伝いは発表会のDVD/Blu-ray制作をのぞき、無償で行っています。そうなると、どうしても映像制作の合間に教室の手伝いをすることになり、優先順位を変えることができません。ですが、手元に資金的な余裕があれば、教室の手伝いにより多くの時間が割けると考えました。

その3:今後の企業向けVP業界の見通し

映像業界の将来を考えると、僕の主なクライアントは企業や広告代理店で、40代後半を迎える僕に仕事を発注してくれる人たちもまた高齢化しつつあり、世代交代が進みつつあります。今後は若手との競争も厳しくなるでしょう。さらに、AIの発達により参入障壁が下がり、価格競争が激化することが予想されます。

そのため、今よりも生活費を抑えながら映像制作とは別の価値を育てていく必要を感じています。

今、苦労していること

ここまでは、マンションを売却した理由について説明してきましたが、そんな僕が今、直面している困難についても書いておきます。

引越し先が見つからない

現在の課題は、売却後の新居探しです。妻の勤め先である実家のバレエ教室に近く、息子が小学校を転校せずに済む範囲で物件を探していますが、検索範囲が限られていることもあり、理想的な物件が見つかりません。そもそも、3年前にマンションを購入したのも、このエリアで適切な賃貸物件が見つからなかったためでした。

あとは僕が万一死亡した時に、不動産が妻と子供の保険になると考えていたけど、ケガや病気には対応しきれないことが分かった。

※マンション購入時に加入できる団体信用生命保険(団信)は、住宅ローン契約者が死亡や高度障害状態になった場合に、生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を金融機関に支払う保険

とくに悩ましいのは、1-3月が引越しシーズンのピークだということ。良い物件があっても即決が求められ、じっくりと検討できません。

とはいえ、今住んでいるマンションは4月下旬には引き渡さなければならないので、それまでには次の住まいを決める必要があります。

7ヶ月間売却活動をした僕からのアドバイス

これまで、色々な不動産会社から営業の連絡が来たり、YouTube広告に不動産売却の宣伝がたくさん流れるようになりました。

これかからお住まいの売却を検討される方もいるかもしれないので、そんな方に僕からのアドバイスです。

アドバイス1:一括査定サイトの価格は「売れる価格」ではない

YouTubeを見ていると、「一括査定サイトで不動産価格を調べたら、家が高値で売れた」みたいな広告が死ぬほど流れてきます。

しかし、忘れていけないのは、一括査定サイトで出て来る価格は、あくまで不動産会社が「この価格で売りに出しますよ」という金額で、必ずしもお客さんが買ってくれる金額ではありません

また、一括査定サイトを使うとたくさんの不動産会社から電話営業がかかってきます。

ただし、物件の相場を知ることは大事なので、ネットで近隣の似たような物件の値段を調べたり、大手、地元、売却専門など異なる特色の不動産会社に相見積もりを頼んで、その中から信用できそうな営業さんを選ぶことをオススメします。

アドバイス2:仲介手数料無料に騙されるな

仲介手数料を売主から取らない業者というはどういう業者でしょう?それは、買主から手数料を取る業者です。通常、不動産はレインズという全国の不動産会社が共通して物件を検索できるサイトに物件情報を登録して、他の不動産会社と手分けしながら広く買主を探すのですが、売主から仲介手数料を取らない不動産会社は買主からの利益確保のために自社で情報を囲い込んで、自社内でしか買主を探さないため、機会損失の可能性が増します。

さらに、売主から仲介手数料をとる会社は物件が高く売れればそのぶん、仲介手数料も多くもらえるので、「できるだけ高値で売ろう」というインセティブが働きますが、仲介手数料無料の業者にはそれがありません。

アドバイス3:売りを急ぐと価格が下がる

最初のアドバイスで書いた通り、一括査定サイトの金額はあくまで業者の言い値であって、実際に物件が売れる相場は大体決まっています。その相場の中で時間をかけて高めの価格帯をチャレンジするか、安い値段で早く売るかという選択を売主は迫られます。

僕の場合、手元に資金を確保することがそもそものマンション売却の理由だったために、目標の売却額に到達しなければ、ずっと今のマンションに住むつもりでした。

ですから、最初は売却確率の低い高価格帯を3ヶ月ほどチャレンジして、徐々に価格を落としていきました。その後、当初の目標額をキープしていたところ、年末あたりから内見の数が増えてきて、引越しシーズンが到来した1月に売却できました。

一方、転勤や相続などで急遽物件を売却しなければならない時は、すぐに買主を見つけなければならないため、強気の価格帯をチャレンジする時間的余裕がありません。結果的に、安い価格帯で売りに出すことになるので、売却にはある程度時間的な余裕も必要です。

まとめ

住まいは、誰にとっても人生の重要な決断です。

家族が増えれば、パートナーの勤務先や子供の学校など、決断には様々な要素が絡みます。今回の売却は、不動産市場の動向という外的要因と、教室運営へのコミットメントという内的要因が重なった結果でした。

新居探しは依然として課題ですが、この決断は僕たち家族の新しいステージへの一歩でもあります。
引越し先が決まっていない状況での売却は、確かに不安も大きいものです。ただ、親の年齢や自分のキャリア、バレエ教室の将来を見据えた時、今このタイミングでの決断が必要でした。

これからも、教室運営に関わる方々の暮らしや働き方について、実体験を交えながら発信していきたいと思います。

みなさんの人生の岐路での決断に、この記事が何かしらの参考になれば幸いです。

 


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