人生の引き継ぎ備忘録

ライムライトの仕事部屋
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バレエ教室の事業承継について書いているこのブログですが、今回は少し違った角度から「引き継ぎ」について考えてみたいと思います。

今年のはじめに母方の伯父が亡くなったことはブログでお伝えしましたが、先日、残された伯母の引き継ぎ作業を手伝ってきました。

伯父伯母の夫婦は、確定申告や生活費など、ほとんどは伯父が管理していて、伯母は携帯電話はおろかメールアドレス、そしてクレジットカードすらもっていない状態だったので、引き継ぎの状況を把握するのに、なかなか苦労しました。

ですが、こういった経験はいつか誰しも訪れるもので、そんな時にどんな引き継ぎ作業が発生するのかを皆さんここで共有することは僕にとっても、皆さんにとっても意義のあることだと思うので紹介しようと思います。

引き継ぎに必要な業務

引き継ぎに必要な業務は大きく次の二つに分けられます。

  1. 名義変更
  2. 解約

名義変更は同じ条件でサービスを継続する場合、解約はサービスをやめる場合に必要な作業です。サービスの一部分のみを変更・解約する場合も、基本的にまずは名義変更を行う必要があります。

その1:生活インフラ関連
  • 電気、ガス、水道
  • インターネット・プロバイダー契約
  • 固定電話

まず、電気、ガス、水道代が銀行引き落としなのか、クレジットカード払いなのか、どこから引き落とされているのかを知るところからはじめました。また、最近は電気とガスの提供を両方行っている会社もあるので、明細を確認する必要がありました。

インターネットも、インターネット回線業者とプロバイダーが分かれていたり、逆にひとまとめになっている場合があります。伯父伯母の場合は、J-COMを使っており、インターネットと固定電話、そしてケーブルテレビまでが一括で契約されており、名義変更を行いました。

一括契約の場合、厄介なのが一部のサービスのみ解約すると違約金が発生したり、割高になったりすることです。伯母の場合、ケーブルテレビやインターネットは全く使わず、使うのは固定電話のみ、さらにマンションの住民の分までインターネット回線代を払っていたことが判明しました。

今のところ、マンション住民と話し合って結論が出るまでは名義変更のみ申請している状態です。

その2:住まいの契約関連
  • マンション管理費・修繕積立金
  • 火災保険・地震保険
  • 固定資産税

伯父伯母のマンションは、上層階を人に貸出していますが、管理費や修繕は管理会社を通さず、オーナーである伯父が直接管理していました。管理会社を通している場合は名義変更が必要です。

保険関係は名義変更をするとともに、生活環境の変化にともない、契約内容の変更も発生します。現時点では、名義変更の申請を行っている最中です。

実はたくさんの方が弔問に訪れたり、荷物を出し入れする中で、玄関のドアが途中までしか開かなくなるというトラブルに見舞われたのだけど、これは火災保険で無料で修繕できる。ただ、保険申請を行うにもまずは名義変更をしないとはじまらない。

また、固定資産税に関しても不動産名義が変更された場合、市区町村役所で手続きが必要です。

その3:お金の整理

僕は法律の専門家ではないので遺産相続に関する話題はここでは差し控えます。シンプルに事務手続きが必要な情報だけを以下に記します。

  • 銀行口座
  • クレジットカード

意外と知らない人が多いので気をつけて欲しいのですが、死亡すると、その人物の銀行口座は凍結されてしまいます。遺産手続きが終わるまでお金を引き出すことは出来なくなるので、「葬儀代を故人のお金で支払おうとしたら引き出せなくなった」などということがないように注意してください。

葬儀費用は全てではありませんが相続税の控除対象になるので、正しい手続きを事前に知っておくことが大切です。

また、これまで二人分だった年金収入が半減し、故人がこれまで支払っていた生活費や税金も、すべて相続人が支払う必要が出てくるので、出て行くお金と、生命保険や相続財産など、入ってくるお金の把握も大切です。

そして生前に故人がどんなクレジットカードを使っていたか把握しておかないと、意外なところで年会費の未払いが発生して、忘れた頃に相続人に請求書が届く可能性があります。クレジットカード明細を確認して、どのような支払いがあるのかも確認が必要です。

最近はペーパーレス化が進んで、クレジットカードの明細が紙で届かず、アプリで確認するケースも増えているから、IDやパスワードの保管方法も事前に確認しておく必要がある。

その4:デジタルサービス関連
  • スマートフォン・携帯電話
  • 会員サービスやサブスクリプション

これまで、伯母は携帯電話を持っていなかったのですが、パソコンもインターネットも使わないとなるとさすがに固定電話だけだと緊急時に不安が残ったので、伯父のスマートフォンを名義変更して伯母のものにすることにしました。

スマートフォンの契約は、必要最低限のものに変更する予定です。この場合も、まずは名義変更が済んでからです。

さらにやっかいだったのは、伯父の契約していた携帯会社はクレジットカードしか対応していなくて、クレジットカードを1枚も持っていなかった伯母は支払いのために急遽クレジットカードを作らなくてはならなかった。

NetflixAmazon Primeなど、月額や年額のサブスクリプションがないかもクレジットカード明細でチェックが必要です。

その5:官公庁での手続き
  • 住民票の変更
  • 年金・健康保険

結論から言うと、伯母の場合は住民票の変更は必要ありませんでした。ただし、同じ世帯に15歳以上の方が複数いる場合は、「世帯主」の変更届が必要です。給付金も出るので大切な手続きです。

戸籍謄本も市区町村で除籍手続きが行われるので、引越しをしなければ特に届出はいりません。

年金や健康保険は手続きが必要です。人によって遺族年金を受け取る資格があったりなかったりするので、日本年金機構のウェブサイトなどで事前に確認しておくことをオススメします。

名義変更に必要なもの

名義変更に必要なものはもちろん、申請先によってマチマチですが、最低限用意しおいた方が良いものをここに書いておきます。

  • 死亡診断書(死体検案書):亡くなった事実を確認する書類
  • 本人確認書類:運転免許証、マイナンバーカードなど
  • 実印&印鑑証明書:発行から3ヶ月以内のもの

この中で特に高齢の方にありがちなのが、本人確認書類が健康保険証しかないパターンです。運転は旦那任せで自分は運転免許証を持っていない、あるいは持っていたけど自主返納しないで失効したという方は結構多い気がします。

幸運にも伯母はマイナンバーカードを作っていましたが、健康保険証は本人確認書類としては不十分で、公共料金の領収書など補助書類を求められることがあります。しかし、公共料金の領収書も名義が本人でないとダメで、配偶者の名義で支払っているものは補助書類にはなりません

まとめ

手続きを手伝う中で気づいたのは、日々の暮らしが実に多くの契約や取り決めで成り立っているということ。

そしてプリンターでコピーを取る、クレジットカードで支払う、ネットで連絡先を調べるなど、僕にとっての当たり前の行為が、高齢者にとっては当たり前ではないということ。

高齢者に限らず、たとえば僕が明日死んでしまったら、クレジットカードや銀行口座を複数持っている僕の資産状況を妻が把握するのはとても難しいと思います。

病気や天災、事故など、年齢に関わらず、死は突然訪れるかもしれません。

しかし、そんなことに日々恐れを感じていたら、心安らかに過ごすことができないので、僕たちには「正常性バイアス」と言われる心理的傾向があり、たとえ本当に危険が差し迫っていても、心は何もなかったかのようにふるまいます。

だからこそ、自分のためではなく残された人のために、普段からもしもの時の会話をしておくことは大切だと感じました。

 


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