南端の磁場―「あむりたの庭、そして音楽」17周年記念トークイベント

ライムライトの仕事部屋
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じつは、本日から石垣島に行ってきます。

僕の30年来の友人、宮本進吾・さゆりさん夫妻が営んでいる「あむりたの庭、そして音楽」という食堂が社会学者の宮台真司さんを招いて17周年を記念した特別なイベントを行うので、僕がそのイベントの撮影を担当することになりました。

どうして石垣島にある食堂の17周年記念イベントで社会学者の宮台さんがトークイベントを行うのか不思議に思う方もいるかもしれませんが、石垣島の特殊性やお二人と僕のつながりを知ってもらえば、ご理解いただけると思います。

石垣島について

日本最南端にある、八重山諸島。その島のひとつが石垣島です。

どのくらい南にあるかというと、沖縄本島よりむしろ台湾に近いくらい南にあります

石垣島から沖縄本島に行くと、電車も高速道路もあって、「とても都会だなぁ。」と感じます。石垣島にはどちらもありません。

とくに東京や大阪から直行便で石垣島を訪れた人は、自然や景色がまったく違うので海外に来たような錯覚を覚えるかもしれません。

それでも、新空港ができたり、湾岸部の開発が進んだり、島の景色は少しずつ変わってきています。近年ではインバウンド需要の高まりもあって、多くの外国人観光客も訪れるようになりました。

僕は「あむりたの庭、そして音楽」がオープンする前の準備期間から石垣島を訪れています。結婚するまでは、毎年2月に同じ八重山諸島の西表島で開催されるハーフマラソン大会にも参加していました。

東京で仕事に追われアウトプットばかりしていると、自分の中が枯渇していく感覚に襲われることがあります。その感覚を回復するために、東京から物理的に身体を離して、全く異なる環境に身を置くことがいかに大切か、石垣島に行ってから分かるようになりました

こういった感覚を抱くのは僕だけではありません。

ビートたけしフライデー襲撃事件のあと、謹慎期間中に滞在し、のちに映画「ソナチネ」を製作することになったのも石垣島ですし、今回のトークイベントのゲスト、宮台真司さんが90年代後半に鬱を煩い、回復するために滞在していたのも石垣島です。

今回のトークイベントでも宮台さんが鬱を患った経緯と、なぜ石垣島を回復の地として選んだのか、この島の特殊性とは何なのかについて、お話を聞けると思う。

「あむりたの庭、そして音楽」について

あむりたの庭、そして音楽」(以下、「あむりたの庭」)には、国内外の多くのアーティストやアスリート、著名人たちが訪れています。石垣島という土地の特殊性料理を担当するさゆりさんホールを担当する宮本さんのセンスが掛け合わされた唯一無二の存在。それがあむりたの庭です。

このお店の魅力は実際に訪れないと伝えるのが難しいですが、無理やり一言でまとめると「中央線カルチャーとローカルカルチャーが融合したお店」といったところです。

海外でも同じことが言えますが、地方に長期滞在してローカルフードばかり食べていると、たいていはそのうち飽きてくるものです。

ところが、あむりたの庭は地元の食材を使い、美しくトッピングされたカレーやハンバーグなどを味わうことができます。カレーやハンバーグという全国的にポピュラーな料理だからこそ、万人が食べやすく、かつお店ならではの個性が際立つのです。また、店内はたくさんのレコードや映画や本、絵画に囲まれており、西荻窪にお店があってもまるで違和感がありません。だからこのお店には文化的感度が高い人たちが自然と集まります。

それもそのはず、僕たちの出会いは東京だったのです。

宮本夫妻との出会い

僕が大学生の頃、荻窪にある小さなビデオレンタル店でアルバイトしていた時に、一緒に働いていた先輩が宮本さんでした。

当時の僕はまだやりたいことが見つからずに、お店で借りてきたVHSをひたすら見ている毎日。宮本さんは映像の専門学校に通っていて、課題の短編映画の制作を手伝ったのが、そもそも僕が映像の世界に興味を持つキッカケになりました。

その後、僕はアメリカに留学して本格的に映像の勉強を始めます。宮本さんはさゆりさんや他の仲間たちとバンドを組み、音楽活動を始めていました。

アメリカから帰国後はビデオレンタル店を辞めて数年が経過していたのですが、その後もTSUTAYAの中で、吉祥寺にあったパルコブックセンターで、道の真ん中で、とにかく宮本さんには何度も遭遇し、運命に導かれるように一緒に活動をはじめることになりました。

毎週末、僕の実家に集まってアイデアを出し合い、1年に1度、宮本さんと共同でアートイベントを開催し、宮本さんのバンド、BLUES ACEの一員として映像を担当することになりました。

どんな活動をしていたかを話すととても長くなるので、近いうちに音声配信で話そうと思う。

BLUES ACEのリーダーは宮本さんでしたが、バンドでセンターを務めていたのがボーカルのさゆりさんでした。さゆりさんの歌声はとても力強く、美しく、そして個性的でした。さゆりさんがカメラ越しに唄いかける表情に惹かれ、僕は何度も彼女の正面にカメラを置いてプロモーションビデオを作成しました。

さゆりさんはどこかエキゾチックな魅力のある方ですが、もしかしたらそれは彼女が石垣島出身であることと関係があるのかもしれません。

ちなみに、この時さゆりさんは吉祥寺のカレー屋さんでアルバイトをしていた。だから東京から来た人はあむりたの庭のカレーを食べると遠い祖先の記憶を呼び覚まされる(笑)

帰国後の僕は、フィルムの現像所でアルバイトをしたり、映像の制作会社に入ったり、稼ぎは色々と変わりましたが、ロンドンでの自主ライブパフォーマンスや、NBAバレエ団の上海公演(2007)における映像演出など、宮本さんたちとの活動はずっと続いていました。

やがて宮本さんとさゆりさんは結婚し、石垣島に移住してお店を開きます。二人の間には男の子が生まれ、僕も結婚して、息子が産まれました。

お互いの活動拠点や家族の形は変わりましたが、僕たちの関係はずっと続いています。

宮台真司さんについて

最後に、今回のイベントのゲストを紹介したいと思います。
僕がここで紹介するまでもなく、宮台さんは超有名人なので「朝まで生テレビ!」などのテレビ番組でご存知の方もいると思います。

宮台真司さんは社会学者・映画批評家として、現代社会やメディア、教育、政治など幅広いテーマで発信を続けています。近年は東京都立大学教授を定年退職後、私塾「荒野塾」で社会人向けのゼミを主宰し、トークイベントやメディア出演、動画配信など多様な活動を展開しており、『サブカルチャー神話解体』(共著)『14歳からの社会学』『制服少女たちの選択』など多数の著書があります。

また、2022年にキャンパス内で男に切りつけられる事件の被害に遭いニュースにもなりましたが、その後も精力的に言論活動を続けています。

宮台真司(1959-)
宮台真司さんについては街録chの紹介が非常に分かりやすい

イベントの内容については、宮台さんがKKベストセラーズのYouTubeチャンネルで告知していますので、こちらをご覧ください。

まとめ

今でも執行バレエスクールの発表会には宮本さんに来てもらい撮影を手伝ってもらったり、今回のように僕が石垣島に行って手伝ったりと、ずっと関係が続いています。

もちろん僕も宮本さんも他の人に仕事を振ることはいくらでもできます。

それでも、「この人に頼まれたら何があっても飛んでいく。」

そんなつながりがあるからこそ、人生には価値があると思いませんか?


僕が広報や制作のお手伝いをしている、スタジオアルマが参加するかんだ文化芸術プロジェクト、舞踊劇「食ってきな!-神田食味連着奇譚・蕎麦の巻-」のクラウドファンディングが、あともう少しで目標金額を達成しそうです!

この記事の執筆時点(5月22日)で現在の目標達成率は94%!

平成編のチケットはおかげさまで完売しました。

昭和編の予約もすでに始まっています。ご興味をお持ちの方はお早めにチケットをお求めください。

クラウドファンディングの期限は5月31日まで。

この公演がどんな内容なのか興味をお持ちの方は、コチラのランディングページであらすじが読めるので、ぜひご覧ください。

目標金額達成まであと少し。

皆様のあたたかいご支援を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

詳しくはコチラまで。

 


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