年齢による仕事の変化

ライムライトの仕事部屋
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映画監督ってスティーブン・スピルバーグとか、宮崎駿とか、けっこうおじいさんになっても作品を作り続けている方がいますよね。企業向けのプロモーションビデオの現場でも高齢で働いている人はいますが、ある程度数をこなさないといけない部分もあり、一番活躍できる世代は30〜40代くらいだと思います。

現在の僕の年齢は47歳なので、黄金期の終盤に差し掛かっていることになります。もしかしたら他の分野で活躍されている方の参考になるかもしれないので、僕の20代から現在にかけて、仕事のやり方がどのように変化したのかを紹介しようと思います。

今年で25年目

自分の映像制作者としてのキャリアを数えるとき、仕事としてはじめた時期ではなく、自分で作品を作りはじめた時期で考えた方が正確な気がしていて、そう考えると僕の場合は映像の専門学校に入った1999年が出発点で、今年で25年目のキャリアということになります。

大学4年生の時に1年で卒業できる映像の専門学校をダブルスクールして通い、卒業と同時にアメリカに留学、帰国後はバイトをしながら自主作品を作って映画祭に出品したり、仲間たちと一緒に自主イベントを行ったりしていました。

2004年にアルバイトのつもりで入った映像制作会社が、じつは正規雇用だったことが判明し(ってここを話すと長くなるのでそれは別の機会に)そこから企業向けのプロモーションビデオ制作の現場でプロとして働くようになりました。

映像制作会社にいた20代はとにかく体力勝負

今はだいぶ改善されてきていると思いますが、当時は残業・徹夜は当たり前の映像制作業界で、死守しないといけないのは自分の健康よりも納期でした。

入社した段階ですでに映像作品を作っていたので、純粋にアシスタントとして下積みをしていた期間は1年もなくて、わりとすぐにディレクターの仕事も任されるようになり、他のディレクターのアシスタントをしながら、ディレクターの仕事も兼任するような期間がしばらく続きました。

さすがに今はディレクターやプロデューサーの業務が中心だけど、たまに先輩ディレクターの撮影やイベントのお手伝いで期間限定のアシスタントをすることはある。

アシスタント業務の量もそれなりにあったのですが、それまで人のために映像を作ってこなかった僕は、ディレクターとしてお客さんから求められているものを作るのに時間がかかり、その分、修正作業が重なって、深夜まで作業することで遅れを取り戻していました。

仕事の精度を体力でカバーしていました。

30代は体力も精度も充実  

30代に入って独立し、フリーランスとして仕事が取れたのは、20代にがむしゃらに働いた制作会社時代のつながりのおかげで、やっぱり辛苦を共にした仲間やお客さん、スタッフたちとは会社を辞めてからも関係が続いていました。

そして仕事の精度も上がってきて、お客さんが求めるもののさらに上を行くような映像をどう作り出せば良いか、自分がその時に武器とするべきものは何かを戦略的に考えられるようなってきました。

フリーランスとして生きていくために、編集ソフトのトレーナーの資格を取ったり、英語のコミュニケーションが必要な仕事を受けたり、自分だけの武器を磨いていた。

技術的な部分も成熟してきて、20代と同じ仕事の量でも短い時間で解答にたどりつけるようになってきたので、残りの時間を資格を取ったり、インプットにあてたりすることができました。

30代はまだ独身だったので、仕事以外の時間をすべて自分のために使うことができたのも大きい。

限界が見え始めた40代

30代後半で結婚して、40歳になって子供が産まれてからは、仕事以外の時間は家族にあてることが多くなりました。

そうなると、1日24時間の使い方を工夫する必要が出てきて、これまで1から10まで自分で作って、自分の利益にしていた仕事の一部を人に任せて、残りを自分が担当するようになってきました。作品の完成をサッカーのシュートに例えると、ここで求めらるのはドリブルでの突破力ではなく、戦略的なパスのまわし方です。

当然、仕事を人にお願いする分の収入は減りますが、一人で賄える仕事よりも大人数じゃないと賄えない仕事の方が予算も大きいので、ここで食いっぱぐれることもありません。逆に50代になってもドリブル突破するような働き方を続けていれば、僕の身体か家庭が崩壊するのは目に見えています。

それよりも大きな変化は技術の進化で、動画制作に掛かる機材の低コスト化とAI化により、参入障壁が低くなって、10代で動画制作経験が100本ある、みたいな世代が出てきました。さらに言語の壁も翻訳AIの導入でかなり低くなっており、英語が話せるスタッフのニーズも徐々に減ってくると思います。

仕事を発注する側からすると、30代にお願いしていた仕事が20代にお願いして同じ仕上がりになるのであれば、20代の若者にお願いした方がコストを安く抑えることができます。もっと言うと、発展途上国に仕事をアウトソースすることもはるかに用意になっています。

最新技術への対応は若い世代の方が早い。逆に発注主が期待している文脈をすぐに捉えたり、修正対応の手札がたくさんあったりは、ベテランの方が上かなと淡い期待を込めて考えている。

また、僕に仕事を振ってくれる、あるいはお願いできる人たちも徐々に年齢が上がってきているので、チーム全体の世代交代や新陳代謝が必要になってきました。

まとめ

以上が僕の現状です。ここ10年で収入額に大きな変化はありませんが、逆にそれは僕が一人で働く限界値であるとも言えます。現状維持は後退でしかありません。

これからの僕の挑戦は、これまで僕が培った経験を他の分野で活かすことです。もちろん念頭にはバレエ教室の運営がありますが、両親が健在なうちはできるだけ長く続けてもらいたいと思っています。

また、僕にとってブログや音声配信は【稼ぎ】ではなく【務め】なのですが、ここで生まれた新しい繋がりから新しい【稼ぎ】が生まれる可能性は大いにあります。同じ思いを共有する人と仕事をする方が絶対にやりやすいな、と思うので。


最後に皆さんにお知らせです。僕がプロデューサーとして関わっている【スタジオアルマ】所沢公演「風の中の青い馬」のクラウドファンディングが始まっています。

スタジオアルマのYouTubeチャンネルで僕が撮影・編集したインタビュー動画が先週アップされました。

映像の最後のリンクから別の人のインタビューもご覧になれます。

この作品をどんな人が、どんな思いで作っているのかを伝えた方が作品に興味を持っていただけると思いまして、先週スタジオアルマ主宰の小泉憲央さんと亀井奈緒さん、そして主役を務める森彩華さんにインタビューをしてきました。

他の仕事をしながら1日で映像を編集して翌日にはアップというのを3回繰り返すという、なかなかのドリブルシュートでしたが、たまには自分で走らないとあっという間にロートル入りしてしまうので。

スタジオアルマの活動を応援いただける方は、ぜひクラウドファンディング期間中に以下のリンクからご購入下さい。

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